お薬に関連したアレやコレや、様々な事柄を画像とともに紹介しています。
「薬用植物 フェンネル」
フェンネルは地中海沿岸を原産とし、日本には平安時代に中国から渡って来ました。
夏に黄色の小花を多数つけ、秋に楕円形をした茶褐色の実をつけます。
お薬としての名前は「茴香」(ウイキョウ)といい、果実に健胃整腸、鎮痛、去痰、駆風作用などがあると言われています。安中散という漢方薬や市販の太田胃散、仁丹などにも配合されています。
香り高く、若葉や種子はカレーなどの香辛料としても用いられますし、地域によっては食後のガムのように種子を噛む習慣もあるそうです。
古代ギリシャ語では「マラトン」といい、マラソンの語源となったマラトンの地に群生していたのが語源であるという説があります。
カレーに入っている香辛料とマラソンに不思議な繋がりがあるのも、面白い話ではないでしょうか。
「ロットナンバー、使用期限」
どんな医薬品にも必ずロットナンバー(製造番号)と使用期限が割り振られています。
ロットナンバーは製品に不具合があった際、その影響範囲を確認するためなどに用いられます。また、使用期限はロットごとに決まっているため、期限の分からないお薬はロットナンバーを薬局や製薬企業にお伝えいただければ、お調べできます。
ロットナンバーの記載場所は、錠剤やカプセルだと多くの場合シートの上の方です。外用(塗り薬や貼り薬、目薬など)は、本体に使用期限と共に記載してあることがほとんどです。
ちなみに医薬品の使用期限は「2018.07」など「年.月」までしか記載いていませんが、これは「その月の末日」という意味です。
ただし、直射日光の当たる場所や高温・多湿の場所に保管された場合は期限内でも変質していることもあります。冷所保存など特別な指示がない限り、お薬は日の当たらない涼しい場所に保管しましょう。
「薬用植物 ヤマザクラ」
漢方に用いられる生薬は中国などから書物とともに日本に伝わったものが多いのですが、中には日本独自で見出されたものもあります。
ヤマザクラもしくはカスミザクラの樹皮を乾燥させた「オウヒ(桜皮)」もその一つです。
日本では古くから桜の皮を煎じて飲んだり、皮膚に塗ったりしていたそうです。中国では一部、桜の果実を用いることはありましたが、樹皮を用いることはありませんでした。
オウヒは排膿、解毒、鎮咳、去痰作用などがあるといわれており、現代においても「十味排毒湯」という漢方薬や「サリパラ」といった咳・痰の薬として用いられています。
外国発のものが悪いということは決してないはずですが、日本独自ということに不思議と価値を感じる方も多いのではないでしょうか。
「薬用植物 カモミール」
和名はカミツレ(加密列)。
健胃・発汗・消炎・リラックス効果などがあるとされ、ハーブティーやアロマテラピーの原材料としても多く流通しています。
様々な薬効成分が含まれていますが、中でも「アズレン」という成分は「マーズレン」「ハチアズレ」「AZ」「グリマック」などといった薬として、現代医療においてもよく用いられています。
4000年以上前の古代バビロニアでも薬草として用いられたと言われている、とても歴史の深い薬用植物です。
弊社も設立20年以上が経ちましたが、いつもまでも患者様を癒せる存在であり続けたいと願います。
「調剤道具 乳鉢・乳棒」
錠剤を粉砕したり、複数の粉薬を混ぜたりするのに用いられます。
薬局では写真のような磁器製の乳鉢がほとんどですが、製薬企業などで特殊な素材を粉砕する場合には、メノウや石英などで出来た乳鉢を用いることもあります。
錠剤の飲み込みが難しい場合には粉砕し、粉状にして服用していただくことも多いですが、中には粉砕してはいけないお薬もあります。
自己判断で粉砕せず、必ず薬剤師に確認しましょう。